三分法(期末一括法)
試送前の試算表 左にある試送前の試算表は,繰越商品勘定(期首手許商品)に100円と試用品勘定(期首試用品)に200円,仕入勘定(当期の仕入商品)に1,000円がある。
ここで確認するのは借方にある商品の原価に関する勘定(以下借方原価)の合計額が1,300であること。
試送時の処理
試送時の仕訳 手許の商品(仕入勘定)と区別するため試用品勘定に振替えます。試送した商品(期首・当期)は原価で把握されます。
試送後のT/B
試送後の試算表 試送時の仕訳で,仕入勘定から500円マイナスされ,試用品勘定には500円プラスされます。
しかし,借方原価の合計額は1,300円と変化はない
販売時の処理
試用品販売時の仕訳 期末一括法では,販売時に売上の計上の処理のみがされます。
決算整理前残高T/B
試用品販売後の試算表 販売時に売上原価の振替処理がないので借方原価については全て試送後と同じです。つまり借方原価の合計額は試送前と変化はありません

決算整理前残高T/Bの借方原価の合計額は試送前と変化はなかった。
試送前T/Bの借方にある商品の勘定は,繰越商品(期首),試用品(期首),仕入(当期仕入),つまりP/L上の期首商品と当期仕入だから,その合計額に変化がないのであれば決算整理前残高T/Bの借方原価の合計額1,300円はP/L上の期首商品と当期仕入の合計額である。

通常,期首手許商品と期首試用品は資料に示されているので,当期仕入は差額で求めることになります。(資料に期首試用品が示されていなければ,期首試用品はなかったと判断する)

期末一括法の場合は,決算整理前残高T/Bの試用品勘定が期首試用品と当期試用品の合計額ですので,次の等式が成り立ちます。
T/B試用品勘定(期首試用品+当期試用品)=試用品売上原価+期末試用品
ここで,試用品売上原価を算定すると差額で期末試用品を求めることが出来ます。
反対に,資料に期末試用品が示されている場合は,差額で試用品売上原価が求めることが出来ます。